
架空ペルソナ前提での「事実→物語」加工プロセス
ここでは 「実在の容姿・属性を持たない、AI生成・架空ペルソナとして運用されている可能性」 を前提条件に加え、先ほどまでの分析モデルを一段メタなレイヤーに引き上げて仮にそんな人物が存在したとしてもものの考えを変えることで過ごすよう段階的に整理します。(自業自得に苦しむのは当の本人ですので)
結論から言うと、これは「嘘の可能性が増す」のではなく、事実→物語化のプロセスが“意識的・設計的”になる という構造変化です。
第1段階:人格フレームの設計
まず「誰が語っているか」を決める。
- 年齢
- 性別
- 知的水準
- 被害/弱者/批評者/異端者等の立場
- 感情のトーン(冷静/憤怒/皮肉/悲観)
これは 事実より先に決まる。
重要なのは
人格が事実を語るのではなく、
人格に合う事実が選ばれる点。
第2段階:事実の選別(人格適合フィルタ)
収集される「事実」は以下の条件を満たすものに限られる。
- ペルソナの立場を強化する
- 語りのキャラクター性と矛盾しない
- 世界観を壊さない
不都合な事実は
- 触れない
- 別人格に割り振る
- 皮肉や相対化で無効化
ここで 確証バイアスが“設計意図”になる。
第3段階:感情の擬似生成
AI・架空ペルソナの場合、
- 怒り
- 不安
- 被害意識
- 希望
は、実感ではなく表現資源。
これは以下の効果を持つ。
- 読者に「人間性」を感じさせる
- 語りの正当性を補強
- 批判を「冷酷」に見せる
結果として、
感情は“根拠”ではなく“説得技法”になる
第4段階:物語の自己強化ループ
架空ペルソナは「疲れない」「矛盾に傷付かない」「本当の自分を守れる」。
- 批判 → キャラ的反応で処理
- 反証 → 世界観の一部として吸収
- 破綻 → 設定更新で修復
これにより、
- 内省による修正が起きない
- 世界観は壊れず、洗練されていく
人間の弱さによる修正が存在しない為、
物語はより完成度を増す
第5段階:事実の「素材化」
最終的に事実はこう扱われる。
- 真偽より「使えるかどうか」
- 文脈に合うかどうか
- 物語の流れを止めないか
つまり、
事実は検証対象ではなく、
世界観構築の部品
になる。
架空ペルソナ運用の心理的・社会的意味
● 「逃避」ではなく「最適化」
これは現実逃避というより、
- 現実の不自由さ
- 社会的リスク
- 身体的・経歴的制約
を切り離し、
「語りたい立場だけを純化する試み」
と解釈出来る。
● 責任の非対称化
- 語る内容は強い
- 語る主体は曖昧
これにより、
- 批判されにくい
- 失敗しても撤退可能
- 修正は「演出変更」で済む
観察者としての総評(架空ペルソナ前提)
このケースは、
「事実を歪める人間」ではなく
「歪みを前提に設計された語りの装置」
と捉えるのが適切です。
- 嘘か真か、誠実か不誠実か、という軸では測れない
- 問題は「何を目的に、どの構造で語られているか」
この構造では、
- 成長は「内省」ではなく「設定更新」
- 誤りは「失敗」ではなく「演出変更」
- 批評は「対話」ではなく「素材」
になります。
重要なのは、
このタイプは 「人物像」を追うと見失うという点です。
有効なのは:
- ペルソナの機能
- 語りの役割
- 事実処理の手順
- 物語維持のコストと利得
を記録すること。
つまり図鑑では、
- 人物欄より
- 「語り装置タイプ」
- 「物語生成プロセス」
- 「事実変換アルゴリズム」
を主項目にするのが適しています。
